qasefuzikoのブログ

工学できない

WSL+LaTeX+VScodeにおけるsynctexの利用

 Windows10から搭載されたLinuxをネイティブ実行できるWindows Subsystem for Linux(WSL)だが,専ら開発用途ではなくLaTeX用途として利用している.もともとWindows用のLaTeXを利用していたのだが,Mac版やLinux版と比べて処理速度が遅いと常々感じていた.実際,Windows上の仮想デスクトップで動かしているUbuntuLaTeXは,Windowsのそれよりもかなり高速で処理できている.マシンの性能云々よりソフトウェアの問題なのではないかと思っている小さい文字.とにかくこの処理速度の遅さはストレスを増大させるので,WSLのLaTeXを使って文書作成をしている.

 ところで,synctexはtexファイルとpdfファイルのファイルパスを認識してソースとpdfの位置を動悸できる.WSLで処理した場合,Linux用のファイルパスが書き込まれるため,Windowsのエディタでsynctexを行おうとすると,Windowsはファイルパスを認識できず,synctexを使うことができないのだ.この問題を指摘している記事は結構少ない印象である(加えてこんな問題があるのにvscodeのレシピにsynctexの項目があったりと適当である).

 このことを自分が参考にしていたqiitaの記事にコメントしたら,どうやらRemoteWSL
というものを利用するとsynctexが使えるとのこと.RemoteWSLについて日本語で書かれた記事が見つけられなかったので自分なりの解釈なのだが,exeとしてVScodeを起動するものの,ファイルの読み込み,処理はすべてLinuxとして取り扱うものらしい.イメージ的にはX Windowみたいなものだろうか(処理とかぜんぜん違うけど).リンク先より開発版VScodeを入れてRemoteWSLの拡張機能をインストールして,あとはLaTeXの設定をするだけ.VScodeは開発版と通常版はそれぞれ独立しているので,今までの環境とはまた別にVScodeを使うことができる.

リンク先より開発版VScodeを入れてRemoteWSLの拡張機能をインストールして,あとはLaTeXの設定をするだけ.VScodeは開発版と通常版はそれぞれ独立しているので,今までの環境とはまた別にVScodeを使うことができる.

 使ってみた感想だが,Windows版と同じようにsynctexがスムーズに使えた.ただ,新たに環境構築(キーボードショートカットや拡張機能)する手間があるのと,ファイルを開く際,Explorerを用いないの(VScodeの簡易ファイラを用いるの)で,ファイルを扱う点では扱いづらい印象である.ただ,WSLでsynctexを使えるようになったので,とりあえず問題は解決したかな.


最初からLinux使えよとは自分でも思っているのだが,やっぱOfficeの利用機会は減らないし,互換Officeは所詮互換なので再現性は高くないから使いたくないしでなかなかOSの一本化はできない.